笠松坂の庚申塔(東久留米市南沢)
南沢通りは西東京市の六角地蔵尊交差点で所沢街道と分かれて北上、東久留米市内で黒目川を渡り大圓寺までの通り。落合川を渡る橋の名前が毘沙門橋だが、少し南に落合川支流の立野川という細流があり、その川を渡る橋が笠松橋である。笠松橋を過ぎると上り坂になり、これが笠松坂。
笠松坂の坂名の由来がこの場所で、坂上の松の形が笠のようだったという説と、在原業平の笠懸松の説がある。古今和歌集で有名な在原業平は野火止台地に暮らし、草むらに京から呼び寄せた姫と逃げ込んだり、一服休憩で松の枝に笠を懸けたという。坂上のこの場所は大きな塚になっており、その上には庚申堂がある。
堂内にあるのは立派な笠付角柱型の庚申塔。日月、青面金剛像、三猿の図柄で、元禄7年(1694)8月の造立。「奉造立庚申供養為二世安楽」「武刕南沢村 本願 四宮徳右衛門 同行17人施主敬白」の文字がある。この地域では庚申講が盛んで、昭和末期にもまだ庚申講が開かれていたようだ。この庚申は北向の庚申でご利益が高いとも言われている。
場所 東久留米市南沢2丁目21番地先
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