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2025年9月22日 (月)

坂の地蔵さま(東久留米市中央町)

小金井街道が落合川の源流に近い弁天橋を渡るところから少し南の三叉路の頂点に地蔵堂がある。通称「坂の地蔵さま」と呼ばれているらしいが、小金井街道の緩やかな坂に坂名はないようだ。この分岐点は江戸時代からの分かれ道で、まっすぐ南へ進むと府中、左の道は江戸へ続く道だった。今は左の道も六仙通りといい、イオンモール東久留米の手前まで続いている。

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祀られている丸彫の地蔵菩薩は、明和5年(1768)2月の造立で、「願主円西」の銘がある。円西は少し南にある所沢街道沿いの松本家の地蔵にも彫られていた名前で、当時は村の中心的な僧侶だったのだろうか。

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地蔵の基壇には、「念仏講中 右大山道 左江戸道」とあり、分岐の道しるべの役目を果たしている。「武刕多摩郡前澤村 ふちう(府中)まで三り」とも記されている。前沢村の中心は弁天橋の北側にある前沢宿で、江戸時代末期の規模は114戸、人口550人程度の村だった。徳川家臣であった米津家の領地で、幸町にある菩提寺米津寺(べいしんじ)には米津家の大名墓所がある。

場所 東久留米市中央町5丁目10番地先

東京:時代の痕跡を歩く(ぼのぼのぶろく)

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