前沢三叉路の庚申(東久留米市前沢)
東久留米市の中では前沢は南部に位置し、南側を小平市(昔は小平村)に接する地域。前沢の北部を所沢街道が東西に走り、村の街道が南北に走っていたがこの南北の道は現在は都道15号線(小金井街道)である。所沢街道に並行して走る村の街道の三叉路が今も新所沢街道の少し南に残っている。
その三叉路の北側にも南側にも幼稚園がある。三叉路の三角地帯が境内になっており、大きな欅の木と庚申塔がある。かつては榎の大木が手前に2本あったが消えてしまった。2010年頃までは3本の大木が庚申堂を囲むようにしていたが、2015年頃に枯死が進んだ榎が伐採されたようだ。現在は覆屋はなく、庚申塔は野ざらしだが大切に祀られている。笠付角柱型の庚申塔は、日月、青面金剛像、三猿の図柄で、造立年は元禄6年(1693)11月とある。「庚申・拾壱人」の文字があるので、11人の講中が造立したものだろう。庚申信仰の中では初期の物である。
この庚申塔は性格の激しい庚申様として信じられており、戦時中にこの周りの林の樹木を伐った人が急死して畏れられたらしい。のちに講中の中の松本家のおばあさんが覆屋を作って差し上げようとしたが、占いでは「小屋はいらない」と出て造らなかったと伝えられる。それ以来荒れるに任せたらしいが2010年頃までは簡易な覆屋があったので、誰かが立てたのだろう。傍には絵馬が奉納されており、地元ではこの庚申様は、安産、咳止、歯痛などにご利益があるとされ、そのお礼に絵馬を飾っているそうである。
場所 東久留米市前沢1丁目9番地先
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