神明橋畔の石仏(東久留米市中央町)
落合川は4㎞ほどの支流で、東久留米市八幡町を源流に黒目川に合流、黒目川はやがて新河岸川に流下し、赤羽の岩淵水門で隅田川(荒川)に注ぐ。落合川を渡す橋のひとつに神明橋がある。すぐ北には南沢神明社という神社がある。氷川神社系列で旧神明山地区の鎮守である。
神明橋の南側に大きな庚申塔が祀られている。今は中央町だが昔は南沢村神明山という地名であった。笠付角柱型の庚申塔は、日月、青面金剛像、二鶏、三猿の図柄で、造立年は享保18年(1733)9月。側面には「庚申待供養塔 南沢村内神明山」と書かれており、講中拾六人とある。
並んでいる角柱型の石柱は石橋回国供養塔。正面には「石橋日本回国供養塔」とあり、造立年は宝暦10年(1760)霜月(11月)。吉田重兵衛、山下伝兵衛の銘とともに念仏講中三十人とある。側面には「武州多摩郡南澤邑神明山」の銘があるので、回国供養と石橋供養を兼ねて神明橋の架橋記念に建てられたものだろう。現代に暮らす人々にはピンとこないが、橋や坂や峠は世界の境界であり、魔物なども出入りするという感覚が昔の人にあったため、特に橋は供養の対象となったようだ。
場所 東久留米市中央町3丁目11番地先
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