中新田通りの庚申(東久留米市八幡町)
東久留米市八幡町と中央町の境界は都道の小金井街道である。南には旧道の所沢街道と新道の新所沢街道が交差している。小金井街道に交差するもう一つの村道が中新田通りという道。小金井街道から西へ20mほど中新田通りを進んだ角に庚申塔がある。
写真(上)の右側が中新田通りである。きれいにフェンスで囲まれた境内を持つ庚申塔だが、2023年まではここに桜の巨樹があり、その樹の足元に庚申塔があった。庚申塔の向きは東向きでこれは変わっていない。
庚申塔は笠付角柱型で日月、青面金剛像、邪鬼、三猿の図柄。青面金剛の頭部は蛇のとぐろになっていて宇賀神のようだ。造立年は寛政4年(1792)2月で、「武刕多摩郡前澤村新田 講中20人」の銘がある。ちなみに「武刕」の刕は「州」と同じ意味の漢字で、江戸時代の石仏では武州を武刕と書いたものが多い。
庚申塔の周りには燈籠が4基残っている。「常燈明」の文字がある。この前の道はかつては大山道で古道のひとつらしい。江戸時代は大山詣でが民衆の間では盛んで、埼玉県の方から多摩地区へと続く道には大山道がいくつかあるが、大宮から清戸(今の清瀬)、府中を経て、多摩稲城の関戸の渡しを越えて、厚木へというのが埼玉県側からのメインの大山道である。ここはそのルートの傍にあたる。
場所 東久留米市八幡町3丁目14番地先
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